イサムノグチ|AKARI 光の彫刻

光の彫刻

"AKARI"と名づけられた照明の彫刻はイサム・ノグチと、岐阜の伝統的産業である岐阜提灯との出会いの中から1952年に創り出されました。

光を柔らかく拡散させる和紙の性質と、骨組みとなる竹ひごを荒く不規則に張りめぐらすことによって、和紙の縮みや、しわをそのまま残し、たんなる照明のための器具にはとどまらず、光の彫刻として成り立たせました。
あくまでも素材にこだわる制作姿勢は、日本の伝統的な工芸品に見られる性質であり、また、"AKARI"の持つ軽やかさ、はかなさという性質も日本古来の美意識にもとづくものです。

イサム・ノグチのこの作品は、日本固有の美しい工芸品を見事に現代に蘇生させたとして、たちまち世界中から注目され、 日本グッドデザイン賞の受賞やニューヨーク近代美術館に収蔵されたのをはじめ、各国の家庭や店舗で広く愛用されています。

イサムノグチ AKARI

イサム・ノグチとAKARIのデザイン

イサム・ノグチは、35年をかけて、200種類以上ものさまざまな形や大きさの"AKARI"を生み出した。

1950年代はじめの頃は、提灯の上下に口輪のついたものだったり、 竹ヒゴの間隔が均等で目が細かいものだったが、1963年には竹ヒゴが不規則に巻かれ たDシリーズ(Dはでたらめの意)が作り出された。
鏡もちや茄子など多種多様な形をしたNシリーズ(ニューあかり)が作られた頃から、バリエーション豊かな展開を示すようになった。
さらに、Pシリーズ(Pはプレーンの意)のように形はシンプルだが、竹ヒゴを使わず和紙を折りたたんだ際に生じるしわの陰影を美しくみせ ようとする"AKARI"が加わった。
また微妙にいびつなFシリーズも制作された。

このように、伝統的な提灯製造の技術にのっとりさまざまな形の"AKARI"を作り出す一方で、竹ヒゴが生み出す線や和紙が生み出す陰影を効果的に見せようとする"AKARI"を作り出していった。
イサム・ノグチは、"AKARI"を住空間に持ち込むことのできる「光の彫刻」と考えていた。

単なる照明器具として制作に取り組んでいたのではなかったからこそ、ここまでバリエーション豊かに展開していくことになったのであろう。

あかりの色を考えてみましょう

“AKARI”のできるまで

伝統工芸である岐阜提灯の技術によって“AKARI”は作られています。
イサム・ノグチの思いのこもった制作当時の型を、いまなお大切に使っており、 職人が一つ一つ丁寧に手づくりすることによって、高いクオリティをもった“AKARI”が生まれます。
伝統的な岐阜提灯の製造方法と変わらない手順で作られる“AKARI”の作り方を紹介いたします。

イサム・ノグチ|Isamu Noguchi(1904 - 1988)

イサム・ノグチは、日本人の父と、米国人の母に生まれ、東西の間でアイデンティティの葛藤に苦しみながら、独自の彫刻哲学を打ち立てた20世紀を代表するアーティストです。

生涯を芸術表現の実験に捧げ、AKARIだけではなく、彫刻、庭園、家具、陶芸、建築および舞台美術など幅広い作品を残しました。繊細でありながら大胆、伝統をふまえつつモダンなイサム・ノグチの作品は、世界中で今も変わらずたくさんの人々を魅了し続けています。

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