ルイスポールセン PH 5をもっと好きになる！｜選び方・電球・設置までやさしく紹介

「部屋の雰囲気をもっと洗練させたい」「心地よい光の下で過ごしたい」と考えたとき、多くの人が憧れるのが北欧デザインの照明ではないでしょうか。その中でも、デンマークの照明ブランド「ルイスポールセン」が生んだペンダントライト「PH 5」は、まさに"北欧デザインのアイコン"と称され、美しさと機能性を兼ね備えた名作です。
1958年の発表以来、半世紀以上にわたって世界中で愛され続けるPH 5。その美しいデザインに惹かれつつも、「高価な買い物だから失敗したくない」「部屋に合うだろうか？」「適合電球は？」といった疑問や不安をお持ちの方も多いはずです。
この記事では、PH 5の魅力やデザイン哲学、豊富なカラーバリエーション、そして最適なLED電球の選び方まで、購入前に知っておきたいポイントをわかりやすく解説します。

ルイスポールセン ペンダントライト PH 5が愛される理由とデザインの歴史

PH 5の魅力は、美しいデザインに加えて光の質にまでこだわった設計思想にあります。そこには、光を科学的に分析し、人にとって最も心地よい光を追求したデザイナーの深い哲学が息づいています。

デザイナー ポール・ヘニングセンの哲学

PH 5をデザインしたのは、デンマークのデザイナー、ポール・ヘニングセンです。彼は生涯を通じて「良質な光」を追求し、照明デザインの世界に革命をもたらしました。

彼の哲学の根幹にあるのは、「光をかたちづくること」。単に空間を明るくするのではなく、光の反射や拡散を計算し尽くし、人間の目に最も快適で、かつ空間を美しく見せる光を創り出すことを目指しました。PH 5は、その哲学の集大成ともいえる作品です。

対数螺旋から生まれるグレアフリーの光

PH 5の最大の特徴は、「グレアフリー」の光を実現していることです。

「グレア」とは、光源が直接目に入ることで生じる不快なまぶしさのこと。ポール・ヘニングセンは、このグレアを完全になくすことを目指しました。
その秘密は、オウムガイの殻など自然界にも見られる「対数螺旋（たいすうらせん）」というカーブを応用したシェードの形状にあります。複数のシェードが光源を巧みに隠し、光はすべてのシェードの内側に同じ角度で当たります。これにより、光は柔らかく反射・拡散され、どこから見ても光源が見えない、眩しさのない心地よい光だけが空間に広がります。

時代を超えるタイムレスなフォルム

PH 5のデザインは、発表から60年以上経った今でも全く色褪せることがありません。その計算され尽くした機能美は、どんなスタイルのインテリアにも調和する普遍性を持っています。
北欧スタイルの温かみのある空間はもちろん、モダンでミニマルな空間、さらには和室にも自然に溶け込みます。流行に左右されず、長く愛用できること。それもPH 5が世代を超えて選ばれ続ける大きな理由です。

PH 5のラインナップとカラーバリエーション

PH 5は、多彩なカラーバリエーションとサイズ展開で、あなたの理想の空間づくりに応えてくれます。ここでは、代表的なラインナップをご紹介します。

PH 5｜3種類のホワイトカラー

定番のホワイトには、ニュアンスの異なる3種類があります。
①クラシック・ホワイト｜シェード内側のリフレクターがブルーで、落ち着いた印象の光を生み出します。最もオリジナルに近いモデルです。
②モダン・ホワイト｜リフレクターがローズカラーで、より温かみのある光を演出します。
③モノクローム・ホワイト｜リフレクターもホワイトで統一され、よりクリーンで現代的な印象を与えます。

PH 5 モノクロームカラー

シェード全体を単色で仕上げたシリーズです。空間のアクセントとして、よりモダンで大胆な印象を与えたい場合におすすめです。メインシェードの下面は、いずれのカラーもホワイト色となります。

モノクローム／バーガンディー
モノクローム／ダスティー・インディゴ
モノクローム／ペール・ピューター
モノクローム／ペール・ブラッシュ
モノクローム／ペール・ローズ (ミニサイズなし)
モノクローム／オイスター・グレー (ミニサイズなし)
モノクローム／ホワイト
モノクローム／ブルー
モノクローム／ブラック

PH 5 グラデーションカラー

シェードごとに異なるトーンの色を配した、表情豊かなシリーズです。消灯時もオブジェとして美しい存在感を放ちます。

ブルー・グラデーション
グリーン・グラデーション
グレー・グラデーション
レッド・グラデーション
オレンジ・グラデーション
ローズ・グラデーション

PH 5 とPH 5ミニのサイズ比較

PH 5には、オリジナルサイズと一回り小さい「PH 5 ミニ」があります。

PH 5
PH 5は、直径50cm。ダイニングテーブルの上やリビングなど、空間の主役となる存在感があります。

PH 5 ミニ
PH 5 ミニは、直径30cm。小ぶりなダイニングテーブルやキッチンカウンター、書斎、寝室など、よりパーソナルな空間に適しています。2〜3灯並べて吊るす多灯使いも人気です。

カッパーやブラスなど素材の違いや斬新なリテイク

通常モデルのアルミ素材に加え、特別な仕上げとしてカッパー（銅）やブラス（真鍮）のモデルも存在します。
人気モデルのPH5 リテイクは、製造過程で細かな傷や不具合が生じたPH 5、あるいはヴィンテージのPH 5の塗装を剥離し、素材本来の風合いを活かした一点ものの照明器具として再生されており、唯一無二の表情を持っています。
これらの金属は、時間の経過とともに風合いが変化する「経年美化」を楽しめるのが最大の魅力。使い込むほどに愛着の湧く、一生モノの照明です。

PH 5に最適なLED電球の選び方

「PH 5を買ったけど、どんな電球を使えばいいの？」これは、購入を検討している方が最も気になるポイントの一つです。高価な照明だからこそ、その性能を最大限に引き出す電球を選びたいですよね。
ここでは、PH 5に最適なLED電球の選び方を徹底解説します。

対応LED電球｜口金サイズと形状

まず、基本となる条件を確認しましょう。

口金サイズ

PH 5は、最も一般的な「E26」口金、PH 5 ミニは、「E17」口金です。
2025年11月現在、メーカーが標準で付属(同梱)している電球は次のとおりです。

メーカー同梱 標準ランプ

電球の形状とサイズ

これが最も重要なポイントです。
PH 5はシェード内で光を反射させる構造のため、電球がシェードに収まらなければなりません。大きすぎる電球は物理的に入らないだけでなく、光の広がり方が設計通りにならず、本来の美しい光が得られません。
PH 5は、E26口金　一般電球タイプ、PH 5 ミニは、E17口金　小形電球タイプが適合します。

色温度と明るさ、光の広がり方や演色性

色温度（ケルビン）

色温度（ケルビン） 「ケルビン（K）」は光の色味を表す単位です。
数値が低いほど暖色系、高いほど寒色系の光になります。
PH 5の設計思想に基づいた温かみのある心地よい空間には、ろうそくや白熱電球に近い2700K前後の「電球色」が最もおすすめです。

明るさ（ルーメン）

明るさ（ルーメン） 「ルーメン（lm）」は光の量を表す単位です。
ルイスポールセンの公式推奨は「白熱電球100W相当」の明るさです。
LED電球でいうと、約1520lmが目安となります。
PH 5 ミニの場合は「白熱電球60W相当（約810lm）」が推奨されています。 光の広がり方 LED電球には光が下方向に集中するタイプもありますが、PH 5には「全方向タイプ」や「広配光タイプ」を選びましょう。
シェード全体に光が広がり、設計通りの美しい光を再現できます。

色の再現性（演色性）

色の再現性（演色性） 「演色性（Ra）」は、照明で照らしたときの色が自然光の下で見た色にどれだけ近いかを示す指標です。Ra80以上の電球を選べば、料理や人の肌を美しく見せてくれます。

シーン・目的に合わせた電球選び

前述のとおり、PH 5およびPH 5 ミニには、それぞれメーカー標準の付属電球が同梱されています。ここでは、照明環境や使用目的に応じて、付属電球以外にメーカーが適合ランプとしている電球を紹介します。
調光・調色を楽しむ Philips HueスマートLED電球は、スマートフォンなどで調光・調色が可能です。詳細は、Philips Hue HP等で確認いただけます。

調光・調色を楽しむ Philips HueスマートLED電球｜※2025年11月現在

白熱電球は、Ra100

色の再現性（演色性）Ra100にこだわるなら、白熱電球を使用します。
白熱電球は、LED電球と比較すると、発熱量が多い、消費電力が多い、寿命が短いなどのデメリットがありますが、Raは100となります。
※LED電球が普及する以前は、メーカー標準の付属電球として使用されていました。

白熱電球とLED電球の光の広がり方の違い

もともとPH 5は白熱電球を想定して設計されました。
白熱電球は概ね360°全方向に光を放ちますが、LED電球は製品によって光の広がり方が異なります。そのため、LED電球を選ぶ際は、いかに白熱電球の光の広がり方に近い「全方向タイプ」を選ぶが、PH 5本来の美しさを引き出す鍵となります。

最適な設置場所と高さの決め方

PH 5を最大限に活かすには、どこに、どのくらいの高さで吊るすかが、特に注意すべきポイントです。ここでは、シーン別の設置のコツをご紹介します。

ダイニングテーブル上での理想的な高さ

PH 5が最も美しく映える場所、それはダイニングテーブルの上です。
通常、理想の高さはテーブルの天板からシェードの下端までを60cm〜65cmにするのがスタンダードです。
高さの決め方 実際に椅子に座ってみて、向かいの人の顔が見え、かつ光源が直接目に入らない高さがベストです。この高さに設置することで、テーブルの上のお料理を美しく照らし、食事を囲む人々の顔を柔らかい光で彩ります。

リビングや書斎での活用アイデア

PH 5はダイニング以外でも活躍します。 リビングのコーナーに ソファの横や部屋のコーナーに低めに吊るすと、空間に奥行きが生まれ、リラックスできるラウンジのような雰囲気になります。
書斎のデスク上に PH 5 ミニをデスク上に吊るせば、手元を優しく照らし、集中できる上質な作業空間を演出できます。多灯吊り 吹き抜けや広い空間では、PH 5やPH 5 ミニを複数、高さを変えて吊るすことで、リズミカルで華やかな印象になります。

コード長の選び方とカット・延長加工

PH 5の標準全長は1,910mmです。(引掛シーリングキャップの上端から、器具下端までの長さ)
天井が高い場合や、低く吊るしたい場合は、購入時にコードの延長やカット加工を依頼できます。

当店では、ご購入の方に簡単にコードの長さが調節・収納できるコードリールを、現在、プレゼント中です。
ペンダントコードをご希望の長さに合わせて、カット・延長加工も承ります。

引越しのご予定のある方や、吊るす場所を変更される場合は、コードリールで長さの調節もおすすめです。 全長が決まっている場合は、コード加工もおすすめです。

PH 5 ペンダントライトのコード加工承ります »»» 詳しくはこちら

取り付け方法 引掛シーリングと電気工事

日本の多くの住宅では、天井に「引掛シーリング」という照明用の接続器具が設置されています。
PH 5はこれに対応しているため、特別な電気工事を行わずに、取り付けることが可能です。ご自身での取り付けが不安な場合は、正規販売店、もしくは専門の電気工事業者への依頼をおすすめいたします。

PH 5のあるインテリア実例集

PH 5が一つあるだけで、部屋の印象が大きく変わります。ここでは、さまざまなインテリアスタイルとのコーディネート例をご紹介します。

北欧ナチュラルのダイニング空間

木の温もりを感じるダイニングテーブルやチェア、リネンやコットンのファブリック。そんなナチュラルな空間にPH 5を吊るせば、まるで北欧の家庭のような、温かく居心地の良いダイニングが完成します。クラシック・ホワイトやモダン・ホワイト、グラデーションカラーがよく似合います。

モダンでミニマルなリビング

コンクリート打ちっぱなしの壁や、モノトーンで統一されたシャープな空間。そこにPH 5をひとつ加えるだけで、計算されたフォルムがアクセントとなり、空間に有機的な柔らかさと上質さを与えます。モノクローム・ホワイトやモノクローム・オイスタグレーなどが、洗練された雰囲気を一層引き立てます。

購入前のよくある質問と回答

最後に、購入を検討している方からよく寄せられる質問にお答えします。

明るさは何畳くらいの部屋に適していますか？

「PH 5ひとつで、何畳の部屋を明るくできますか？」これは非常によくある質問ですが、少し注意が必要です。
PH 5は、部屋全体を煌々と照らすシーリングライトとは目的が異なります。空間全体を均一に明るくするのではなく、テーブルの上など特定の範囲を心地よい光で満たすための照明です。
目安として、4人掛け以上のダイニングテーブル上であれば広さを問わず心地よく感じられますが、リビングなどで使用する場合は、ダウンライトやフロアライトなど、他の照明と組み合わせて明るさを確保するのが一般的です。

日常のお手入れとメンテナンス方法

「お手入れは難しいですか？」いいえ、日常のお手入れはとても簡単です。
ホコリの除去 シェードに付いたホコリは、柔らかいハケやホコリ取り用クロスなどで優しくお手入れください。
汚れの拭き取り 汚れが気になる場合は、中性洗剤を薄めたぬるま湯に浸した布を固く絞り、優しく拭き取ります。その後、乾いた布で水分を完全に拭き取ってください。
※カッパー（銅）やブラス（真鍮）、リテイクを除きます。
電球の交換 トップシェード(コードの付いたシェード)を左にまわしてください。シェードからトップシェードを取り外すことで電球交換ができます。

正規品とリプロダクト・ジェネリック品の違い

「価格の安いリプロダクト品ではダメなのでしょうか？」
PH 5は決して安価な照明ではないため、意匠権の切れたデザインを模したリプロダクト品にご関心をお持ちになる方もいらっしゃるかもしれません。しかしながら、正規品とリプロダクト品の間には、見た目だけでは計り知れない本質的な違いがございます。

光の質

「正規品は、ポール・ヘニングセンが計算し尽くした「対数螺旋」のカーブを忠実に再現し、高品質な塗装を施すことで、完璧なグレアフリーの光を実現しています。
リプロダクト品は形を模倣しているだけで、眩しさや光のムラが生じることが多く、快適な照明環境とは言えません。

品質と安全性

シェードの歪みや塗装の剥がれといった仕上がりの差はもちろん、電気製品としての安全性にも大きな違いがあります。
正規品は日本の電気用品安全法に基づくPSEマークを取得しており、安心してお使いいただけますが、リプロダクト品の中には基準を満たしていないものもあり、火災などのリスクを伴う可能性も否定できません。

資産価値

正規品の真価は、単なるデザイン性にとどまらず、「心地よい光」という体験そのものにあります。丁寧に扱えば、中古市場においてもその価値が大きく損なわれにくいという点も、魅力のひとつです。
「心地よい光」というPH 5の核心的な価値は、正規品でしか得られません。
長く愛用することを考えれば、初期投資は高くても正規品を選ぶことが、結果的に最も満足度の高い選択となります。

PH 5とPH5ミニ 返品・交換7日間対応

ここまでPH 5の魅力をお伝えしてきましたが、やはり実物を見て、自分の部屋に合うか確かめたいと思うのが正直なところでしょう。

当店は、ルイスポールセン正規販売店です。 「住まいの照明 ラ・ヴィータ」では、お客様に安心してご購入いただくために、返品・交換が可能なサービスを提供しています。

万が一、イメージと違った場合でも、商品到着後7日以内であれば返品・交換が可能です。

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さらに、メーカー保証1年に加え、独自の2年保証をプラスした合計3年間の保証も付いています。

高価な買い物だからこそ、こうしたサポートのある正規販売店を選ぶことが、後悔しないための重要なポイントです。

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まとめ

今回は、北欧照明の象徴とも言える、ルイスポールセンの名作 PH 5 について紹介しました。

PH 5の魅力は、

・ポール・ヘニングセンの哲学が宿る「グレアフリー」の心地よい光
・多彩なカラーと2つのサイズ展開で、あらゆるインテリアに調和する
・最適なLED電球は「E26口金」「100W相当（1520lm）」「電球色」「全方向タイプ」が鍵
・ダイニングテーブルから60〜65cmの高さに吊るすのが理想的
・心地よい光の質を求めるなら、リプロダクト品ではなく「正規品」一択

PH 5は単なる照明器具ではありません。それは、日々の暮らしを豊かにし、空間そのものの価値を高めてくれる「光のパートナー」です。
PH 5をもっと好きになっていただけましたら幸いです。

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